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アレルギー情報センターガイドライン小児気管支喘息:目次小児気管支喘息

ガイドライン

小児気管支喘息


目次

I. 小児喘息はどのような病気でしょう

II. 小児喘息はどのくらいいるのでしょう

III. 小児喘息の危険因子

IV. 小児喘息の急性発作への対応

V. 小児喘息の長期管理に関する薬物療法

VI. 乳児喘息

VII. 小児喘息における吸入機器とその使い方

VIII. 小児喘息の心理療法

IX. 運動誘発性喘息、運動療法

X. 肺機能、ピークフローモニタリング


III.小児喘息の危険因子

1. 小児喘息の発症と増悪に関わる危険因子


小児喘息が発症するのには、遺伝と環境が複雑に関係しています。これまでにわかっている遺伝因子、環境因子についての解説です。

表 危険因子

  1. 生体因子
    1. アレルギー素因と遺伝子
    2. 気道過敏性
    3. 性差
  2. 環境因子
    1. アレルゲン
    2. ウイルスなどによる呼吸器感染
    3. 屋外大気汚染
    4. 室内大気汚染
    5. 受動喫煙
    6. 食品および食品添加物
    7. 寄生虫感染
    8. 運動と過換気
    9. 気象
    10. 薬物
    11. 激しい感情表現とストレス
    12. その他


生体因子

アレルギーの素因は、遺伝子によって規定されています。しかし、小児喘息が一つの遺伝子の異常により起こってくるのではなく、多くの遺伝子がかかわっているものと考えられています(多因子遺伝)。

環境因子

(1)吸入アレルゲンとしては、ダニ、ネコ、イヌ、ハムスター、モルモット、カビ、花粉があり、食物アレルゲンとしては卵、牛乳、小麦、大豆、米、ソバ、魚介類、果物があります。ダニの主要アレルゲン蛋白質であるDer p1が2μg/g dust以上で感作され、10μg/g dust以上で喘息が発症すると言われています。

(2)ウイルスなどの呼吸器感染症

特にRSウイルス感染は、発症、増悪に強く関わっています。その他、肺炎マイコプラズマ、クラミジア、百日咳、インフルエンザが関係しています。

(3)屋外大気汚染

二酸化窒素と二酸化硫黄が抗原に対する気道の反応性を亢進させたり、オゾンが気道粘膜の透過性を亢進させたりします。

(4)室内空気汚染

暖房器具からは窒素酸化物が発生し、建材からはホルムアルデヒドが発生します。気道過敏性との関係が報告、調査されています。

(5)受動喫煙

タバコの点火部からの副流煙の方が喫煙者が吸い込む主流煙より有害物質が多く含まれています。両親が喫煙する方が片親が喫煙するよりリスクが増大し、特に母親の受動喫煙にさらされた方がリスクが大きくなります。

(6)食品および食品添加物

乳幼児では、食物アレルゲンで喘息発作がおこることがまれにあります。
妊娠中の母親の食物制限に関しては現在までに確定したデータは得られていません。偏った食事をしないように注意することです。
食品添加物の亜硫酸塩は気道過敏反応を起こすことがあります。

(7)寄生虫感染

寄生虫感染は、血清IgE抗体の増加を起こしますが、喘息の発症に影響するかは不明です。

(8)運動誘発性喘息

運動誘発性喘息はほとんどの喘息児に起こる可能性があります。呼吸量、呼吸数が増えることにより急に気管支粘膜が冷えたり、乾燥することによりそれが刺激となって気道収縮がおこります。多くの場合、呼吸を整え休息で回復します。

(9)気象

喘息発作と気象の変化が関係することは、経験的に知られていますが、まだ明確にはされていません。

(10)薬物

アスピリンと非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)によって喘息発作がおこるアスピリン喘息は、成人ではかなりの頻度でありますが、小児ではまれです。

(11)激しい感情表現とストレス

激しい感情表現で呼吸が速くなり運動誘発性喘息と同様に起こることがあります。また、ストレスも増悪因子となります。


2. 妊娠中・新生児期・乳児期からのアレルギー疾患の予防


生まれてくる赤ちゃんの喘息、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患の発症を妊娠中のお母さんが何か気をつけることで予防できるかという研究、調査が行われています。しかし、現時点で、明確な結果はまとまっていません。

(1)妊娠中の環境に関して

ダニ、花粉などのアレルゲン、ホルムアルデヒドなどがお腹の赤ちゃんに影響すると考えられていますが、母親の喫煙はアレルギー疾患以外にも重大な影響を及ぼします。

(2)妊娠中の食生活に関して

これまでの調査では妊娠中に鶏卵、牛乳を除去した場合とそうでない場合で子どものアレルギー発症頻度に差が出ていません。
妊娠後期から授乳期にかけての母親の食物除去では、乳児期までのアレルギー発症を低下させる効果がありますが、幼児期以降の発症には影響してません。

妊娠中は、生活環境を整え、バランスのよい食生活を心がけ、母親にアレルギー歴がありアトピー体質がある場合には、同一の高タンパクの食品を取りすぎないようにすることです。

新生時期・乳児期には、食べ物だけでなく環境性アレルゲンであるダニ、ハウスダスト、カビ、ネコ、イヌなどに感作(からだがアレルギーを持つようになること)がはじまります。感作されるかどうかは、アレルゲンの種類、量、接触している期間、からだの調子によって左右されます。感作と喘息発症を促進する因子としては、

(1)アトピー素因があること
(2)腸内細菌に中に乳酸桿菌、ビフィズス菌が少ないこと
(3)RSウイルス感染
(4)男子であること

です。


3. 早期治療介入(Early Intervention)とくすりによる予防


小児喘息の早期治療介入には2つ(2段階)あります。
第1段階として、発症予防です。喘息になりやすい子どもたちに積極的に環境整備、くすりを使用して喘息にならないようにすることです。
第2段階は、小児喘息発症早期から、吸入ステロイド薬による治療をおこなうかということです。喘息発症をきちんと見極めて治療を選択する必要があります。


4.  室内環境における危険因子への対策


小児喘息の発症予防、悪化予防のための環境因子への対応の具体的なものです。

寝具

防ダニ布団の使用、高密度繊維布団カバーの使用およびこまめな洗濯、日光干し、加熱、乾燥、殺菌ランプによる処理

じゅうたん

使用しないことが望ましい。フローリングに張り替える。
ホットカーペットもできる限り使用しない。

ソファ

布製のものは使用しない(革製か合成皮革のものを使用する)

ぬいぐるみ

処分することが望ましいが、情操面から必要な場合には洗濯のできるものを少数にとどめる。

家具

数を減らす。扉をつける。ホコリが溜まらないように家具の上に隙間をあけない。掃除のしやすさを考える、家具の上にものを置かない。移動できるようにして家具の裏を掃除しやすくする。

カーテン

ブラインドに替える。洗濯しやすい素材のものにする。

ペット

イヌ、ネコ、ハムスターなど毛の生えたペットは飼わない。

掃除機

フィルター付きで集塵袋も二重になっているものが望ましい。

鉢植え

室内におかないようにする。

洗濯物

室内に干さない。

暖房器具

石油やガスなどの化学物質を発生するものは用いない。

建材

揮発性有機化合物を含有するものはさける。

タバコ

受動喫煙をさける。

1) ダニ・カビ対策

チリダニの至適発育条件は室温25℃前後、相対湿度75%前後、カビは温度25〜35℃、相対湿度70〜90%なので、特に湿度の調節がポイントとなります。

2) その他のアレルゲン対策

室内アレルゲンで問題となるのが、ペットです。ネコ、イヌ、ハムスターなどの毛のある動物がアレルゲンとなります。

3) 室内の化学汚染物質の対策

建材などから発生するホルムアルデヒドやその他の揮発背有機化合物(VACs)、二酸化窒素などがあります。ホルムアルデヒドは室内環境基準で定められた指針値(0.08ppm)がありますが、できるだけ発生量の少ない建材を使用すべきでしょう。二酸化窒素を発生する石油、ガス暖房器は室外排気型を使用すべきでしょう。




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