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アレルギー情報センターガイドライン成人気管支喘息:目次成人気管支喘息

ガイドライン

成人気管支喘息


目次

■ 喘息のメカニズム

■ 喘息と環境

喘息の管理と治療
1. 喘息の自己管理(セルフケア)とQOL
2. 喘息の重症度
3. ピークフローについて
4. 喘息の治療の基本
5. アレルゲンの除去方法
6. 段階的治療法について
7. 吸入ステロイド剤の効果と副作用
8. 気管支拡張剤について
9. 抗アレルギー薬について
10. 喘息の漢方薬について
11. 免疫療法(減感作療法)について

■ その他


喘息の管理と治療

1. 喘息の自己管理(セルフケア)とQOL


喘息の状態が続くと、他の慢性疾患と同じく患者の日常生活が影響を受け、肉体活動、精神活動および社会活動が妨げられ、患者が幸せな満足のいく生活や人生が送れなくなります。すなわち生活の質、生命の質(QOLと言います)が悪くなります。このQOLを向上させるには、病状をコントロールし、発作のない状態を保ち、正常な肺機能を維持し、健康な人と変わらない日常生活ができるように適切な自己管理を行うことが大切です。自己管理とは、医師との対話を通じて喘息という病気や治療法を良く理解し、自分の喘息の状態とピークフローの測定値の変化に自ら適切に対応して急性発作や増悪を予防することです。医師からの指導を守るだけではなく、自分の健康は自ら守るという積極的は取り組みが重要です。


2. 喘息の重症度


自分の喘息の状態がどの程度悪いのか知ることは、喘息を自己管理する上で極めて重要です。それによって治療方法も変わりますし、対処によってはこの後の喘息の経過・予後も決まると言っても過言ではありません。喘息の重症度は、「アレルギー疾患 診断・治療ガイドライン」(協和企画、2010)を参考にするのが良いでしょう。喘息の重症度を症状の程度とピークフロー値の測定値から4段階に分けています。治療はこの重症度に合わせて段階的に軽い内容から重い内容に変わります。


●ステップ1(軽症間欠型):

喘鳴、咳、呼吸困難が間欠的で短く、週1〜2回おきる。
夜間症状は月1〜2回
ピークフロー値は自己最良値の80%以上、日内変動率は20%以内

●ステップ2(軽症持続型):

症状が週2回以上、月2回以上日常生活や睡眠が妨げられる
夜間症状は月2回以上
ピークフロー値は自己最良値の70〜80%、変動率は20〜30%

●ステップ3(中等症持続型):

症状は慢性的、週1回以上日常生活や睡眠が妨げられる
夜間症状は週1回以上、吸入β刺激薬の頓用が毎日必要
ピークフロー値は自己最良値の60〜70%、変動率は30%以上

●ステップ4(重症持続型):

症状が持続、しばしば増悪、日常生活が制限され夜間症状も頻回
ピークフロー値は自己最良値の60%未満、変動率は30%以上
※ 日内変動率とは、ピークフロー値の変動する割合のことで、大きいほど症状が不安定。


3. ピークフローについて


成人の喘息は、治療しなくても症状がない状態(寛解と言います)になることもありますが、高血圧や糖尿病のような慢性疾患と同様に、喘息も医師の指導を受けて自己管理することが大切です。普通、喘息は外来診療が中心ですので、診察日以外は、日頃自分で喘息の状態を管理し発作の予防と速やかで適切な対処を心掛けねばなりません。それには患者が自分自身の喘息の重症度と増悪因子を判断することが必要です。そのため、喘息日記を記入して喘息発作の強さと回数を知り、さらに肺機能を客観的に評価するため自分で携帯用ピークフローメーターを使ってピークフロー値を測定します。これらの記録をみて医師はその後の治療の方法や指導の計画が作成でき、患者は自分自身の症状と薬剤の効果を実感できるのです。ピークフローの値は、喘息の発作症状が出るより2〜3日前に下がることもまれではありません。その場合にはたとえ発作を感じなくても治療薬を増量あるいは早めに使用するようにします。また、喘息の長い患者は、良い状態と見えてもピークフローは予測値の半分ということがあります。これは、肺機能の低い状態に慣れて呼吸困難を感じなくなっているのです。重症化しやすいので適切かつ充分な治療を必要とするケースです。

自己管理の目安としてピークフローの測定値が予測値あるいは自分の過去の最良値の80%以上かつ一日の変動率が20%以下であればコントロール良好で安心できます。50〜80%は要注意で治療の追加が必要ですし、50%未満は緊急事態ですので直ぐ医師に受診する必要があります。

※携帯用ピークフローメーターの機種には、ミニライト、アセス、バイタログラフなどがあります。詳しくは、医師にきいてください。


4. 喘息の治療の基本


喘息は、遺伝因子と環境因子が絡んだ病因が不明な病気です。喘息体質と一括されていますが、いまだ根本的に治癒させる治療法はありません。現在、最善の治療は、気管支の炎症を起こして気管支を収縮させる原因やアレルゲンを除去すること、薬物療法により気管支の炎症を抑えて気管支を拡張し、気流制限と過敏性を改善して日常生活と肺機能を正常化し、患者のQOLを高めることです(表ー成人喘息コントロール状態の評価)。一方で、この体質を変えようとする治療法も昔から試みられてきました。その一つがアレルギー性喘息に対する免疫療法(減感作療法)です。アレルゲンを定期的に患者に注射し、患者のアレルゲンに対する反応を変調させること(体に一種の慣れを作る)により喘息を改善するという治療法ですが、すべての患者に有効なわけではありません。最近、人の全遺伝子の解読が終わり、その塩基配列が発表されたところですが、多くの遺伝子が関係している喘息体質の実態が明らかになれば発病を予防したり、体質そのものを無くする治療法が生まれるかもしれません。

表-成人喘息コントロール状態の評価

表ー成人喘息コントロール状態の評価


5. アレルゲンの除去方法


気管支喘息は遺伝的因子(アトピー素因、気道過敏性など)と環境因子が絡み合って、気道の炎症と過敏性の亢進が生じて発病すると考えられます。環境因子には、アレルゲンとなる特異的環境因子とさまざまな増悪因子(非特異的環境因子:大気汚染物質や喫煙、薬物、ウイルスの呼吸器感染など)に分けられます。この環境因子を除去することが喘息の発病予防にとても大切です。アレルゲンは、室内と室外アレルゲンに分かれ、室内では家塵ダニ、カビ、ペット、職業アレルゲン、室外では花粉、昆虫アレルゲンが主要アレルゲンですが、喘息の予防は室内の環境対策が重要です。なかでもダニの除去は喘息の発病予防(一次予防)のみならず喘息症状を改善(二次予防)し、慢性化と重症化を防ぎます。生きているダニよりもダニの糞や死骸が細かくなった虫体成分を含む家塵のほうが喘息に悪いので殺ダニ剤を使うよりも紙パック集塵袋式の電気掃除機を念入りに使う方に効果があります。1週間に1回は寝具類を1m2あたり20秒間かけ吸塵することにより1m2あたり100匹以下に減らすことが出来ます。(これ以下の数は喘息の発症を減らします)


(1)建築構造の対策: 建築構造の対策:換気をよくする。湿度を抑える。床下の通気を良くする
(2)室内環境の対策: 換気をよくする。家塵のたまる家具を減らす。湿度を上げる。
加湿器や暖房器は使わない。じゅうたん類は置かない。
(3)ダニ、カビ対策: 湿度を60%以下にする。週1回は掃除がけする。
ふとんは週1回、天日に干し、掃除機をかける。

6. 段階的治療法について


喘息の治療は、次のような状態を目標に置いています。
(1)建常人と変わらない生活と運動ができる。
(2)正常に近い肺機能を維持する。
(3)夜間や早朝の咳、呼吸困難がなく、睡眠が十分できる。
(4)喘息発作がなく、増悪しない。
(5)喘息で死亡しない。
(6)治療薬による副作用がない。
(7)非可逆的な気道リモデリングを防ぐ

これらの目標を達成するには、喘息患者の過去の経過と現在の重症度を正確に知り、それを基に生活指導と治療の計画を立てる必要があります。とくに薬物治療については最小限の薬剤で最大の効果を得られることが大切です。そのため患者の重症度を4段階に分け、それに応じて薬剤の使用方法を変えるのです。

喘息の重症度の判定について詳しいことは、「3.診断と検査」のなかに書いてあります。喘息の状態をステップ1(軽症間欠型)、ステップ2(軽症持続型)、ステップ3(中等症持続型)、ステップ4(重症持続型)に分けて、そのステップ(段階)に合わせて治療を開始し、喘息症状の改善が3か月間続いたら薬剤の段階を下げ(ステップダウン)し、薬剤の投与を減らします。喘息状態が悪化し、または現在の薬剤で十分コントロールできない時は治療をステップアップ(治療強化)します。そして喘息症状とピークフロー値を参考に維持治療を決定します。

これが喘息の段階治療といわれるものです。ステップごとの薬物の使用の目安を説明します。

喘息の治療薬は大きく2種類に分けられます。一つは長期管理薬(コントロラー)と言い、喘息症状を軽減・消失させ肺機能を正常化し、その状態を維持させる薬です。これには吸入ステロイド薬、長期作用型の気管支拡張薬と抗アレルギー薬があります。他の一つは発作治療薬(レリーバー)というもので短期間使用する経口ステロイド薬と短時間作用する気管支拡張薬です。ステップ1は、喘息症状のある時に頓用で気管支拡張薬を吸入または経口し、低用量の吸入ステロイド薬あるいは抗アレルギー薬の連用を考えます。ステップ2は、低用量の吸入ステロイドを連用し、長期作用性の気管支拡張薬と抗アレルギー薬を併用します。ステップ3は、中用量の吸入ステロイドを連用し、長期作用の気管支拡張薬と炎症を抑制する作用のある抗アレルギー薬(抗ロイコトリエン薬など)を併用します。さらに患者によっては抗コリン薬の吸入を行います。ステップ4は、重症の喘息ですので高用量の吸入ステロイド薬の連用に長期作用気管支拡張薬を併用し、時に経口のステロイド薬を短期使用します。いずれのステップでも気管支拡張薬の吸入β刺激の頓用は、1日3〜4回までに制限し、それ以上必要な時はステップアップします。(表ー喘息治療ステップ)

表-喘息治療ステップ

7. 吸入ステロイド剤の効果と副作用


喘息は、気道の特有な炎症が原因となって発症する病気です。したがってその治療は炎症を抑えることを目的にします。アレルギー性炎症に対して抗炎症作用の最も強い薬剤はステロイドホルモンですが、経口薬は胃潰瘍、糖尿病、骨粗しょう症、高血圧など全身の副作用があるため吸入ステロイド薬が喘息の治療に用いられています。吸入ステロイド薬を連用すると気道の炎症が取れ、日常の喘息症状が減って重症度が改善し、肺機能と気道過敏性の改善が見られます。また、重症の喘息患者は経口ステロイド薬を長期使用していることが多いですが、高用量の吸入ステロイド薬を使うことにより経口ステロイド薬の量を減らすことができ、全身性の副作用が減ります。吸入ステロイド薬の局所の副作用は、口の咽頭部のカンジダ症、発声障害(嗄声)、上気道の刺激による咳などがあります。これらの多くは吸入補助のスペーサーを使うことにより防ぐことができます。吸入ステロイド薬を長期に高用量使用した場合の全身への影響は、副腎皮質の抑制や骨代謝の抑制の報告があります。経口薬より副作用は少ないとしても長期の影響についてこれからも注意深く検討される必要があります。


8. 気管支拡張剤について


ます。喘息の長期管理のガイドラインは、両者ともに通常は症状の出た時の頓用を推奨しています。β刺激薬は、軽症喘息に短時間作用性の薬剤の頓用(吸入)を、中等症以上には長時間作用性の吸入薬を定期使用します。また発作に対しては短時間作用性の吸入β刺激薬を頓用しますが、1日3〜4回までにとどめ、それ以上使用を連日必要とするようなら現治療が適当でないので長期管理薬による治療をステップアップします。吸入β刺激薬は発作の初期に使用すると効果が高いのですが、発作が強くなってからでは吸入が満足にできず吸入回数が増えて副作用だけが強くなり危険です。実際は、喘息発作時に吸入β刺激薬を1〜2回吸入、20分後改善しなければ再度1〜2回吸入します。これを数回繰り返しても良くならないときは医療機関を受診してください。夜間から早朝の発作が続くような場合、眠前にβ刺激薬の貼付薬を皮膚に貼ると発作を予防することが出来ます。ベータ刺激薬の副作用には動悸、手の振るえ、不眠、めまいがありますので、患者が高血圧、心臓病、甲状腺疾患、糖尿病などを合併している場合は注意が必要です。

テオフィリン薬も気管支拡張作用のあることが古くから知られていましたが、最近、弱いながら抗炎症作用があることも分かってきました。軽症には頓用で使いますが中等症では長時間効果の続く徐放性テオフィリン薬を使用します。テオフィリン薬の有効血中濃度は8〜15μg/mlで、これを超えると副作用が出てきます。副作用は、動悸や不整脈、吐き気と腹痛、不眠や痙攣など多彩ですので血中濃度をしっかりと管理(血中濃度の測定)することが大切です。また、テオフィリンの濃度は、いろいろな因子の影響を受けやすく、心臓病、肝臓病、発熱時やある種の抗生物質や抗潰瘍薬の使用は、テオフィリン濃度を上げるため副作用の発現に注意が必要です。煙草、抗てんかん薬、抗結核薬は濃度を下げてテオフィリン薬の効果を薄めます。


9. 抗アレルギー薬について


即時型アレルギー反応に関係する化学伝達物質の遊離および作用を調節する薬剤を抗アレルギー薬といいます。作用の違いによって化学伝達物質遊離抑制薬、抗ヒスタミン薬、トロンボキサン合成阻害薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬とサイトカイン阻害薬があり、喘息のガイドラインのロイコトリエン受容体拮抗薬をfirst choiceとし、その他の抗アレルギー薬は追加で使用することが推奨されています。化学伝達物質遊離抑制薬は、即時型アレルギー反応における肥満細胞からの化学伝達物質の遊離を抑制する薬剤で、軽症または中等症のアトピー型喘息の30〜40%に効果があるますが、効果がでるまでに4〜6週間の服用期間が必要です。副作用は重篤なものはありませんが、出血性膀胱炎、ほてり感の出るものがあります。抗ヒスタミン薬は、アトピー型の軽症と中等症に20〜30%の効果があります。アレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎などを合併している喘息患者に使うとほかのアレルギー症状にも効果が期待できます。眠気、口渇といった副作用があります、トロンボキサン合成阻害・拮抗薬は、抗炎症作用もありその有効率は40%ぐらいです。咳喘息に有効な場合があります。副作用は、肝障害、消化器症状、尿潜血などの出血傾向が見られることがあります。ロイコトリエン拮抗薬は、気管支拡張作用があり、アレルゲン吸入やアスピリンの吸入、運動負荷による喘息反応を抑制します。抗炎症作用も強く、軽症および中等症の喘息に60%近い有効性があり、効果発現は2週間で現れます。高齢者や非アトピー喘息患者にも有効です。主な副作用は消化器症状で、重篤なものは報告されていません。サイトカイン阻害薬のアイティーピーは、アトピー型喘息に効果があります。


10. 喘息の漢方薬について


現在の新薬は、西洋医学の基礎・動物実験に基づいて生み出されてため、実際に臨床に使われると効く患者と効かない患者が必ずいますし、副作用もなく安全に服薬できる患者と副作用が出て中止せざるを得ない患者がいます。この違いは体質の差と言う以外にないのですが、最近、ヒトの遺伝子解読が急速に進み、個人ごとに遺伝子の配列が違うために薬に対する反応が異なると考えられるようになりました。そこで予め遺伝子配列を調べて体質の違い(薬に対する反応)を予測し、始めから患者個人に合わせて副作用のない最良の薬を最小量投与する治療の考えが広がりつつあります。今までの治療法がレディーメード(既製)であるのに対して、オーダーメードあるいはテーラーメード(注文仕立て)治療と呼ばれています。漢方治療は、長い歴史のなか多くの経験に裏付けに基づいて生み出された治療法であり、予め患者の薬に対する反応性を見極めたうえで治療を行う「随証」を原則としています。患者の体質、体力とその時の闘病反応の強弱によって方剤を選ぶのです。将来、西洋医学は患者の個性に合わせた治療、漢方は科学的証拠に基づいた治療へと向かい、互いに補完し融合する道をたどると予想されます。

喘息に対する漢方の治療は、普通、発作の急性期にはエフェドリン類を含み気管支拡張作用や鎮咳作用がある「麻黄剤(小青竜湯など)」、慢性期には抗炎症作用のある「柴胡剤(柴朴湯など)」を使います。アレルギー体質を持ち、体力があり発汗の多い患者には麻黄剤のうち麻杏甘石湯や五虎湯が良く、体力が中等度で喘鳴と鼻水のあるような患者は小青竜湯が良い適応です。夜に咳が多く、痰の切れない患者には麦門冬湯が効果があります。体力がなく胃腸が弱い脾虚の患者には補剤(補中益気湯、小建中湯)も用いて栄養状態を改善し体力を増強します。一方、慢性期の使う柴朴湯は、下垂体副腎機能の賦活作用があり、ステロイド薬を減らすことが出来ます。高齢者の喘息で腰痛、下半身の脱力や冷えを持つ腎虚の患者には八味地黄丸が有効です。  漢方薬を使う時に注意することは、重症の喘息や発作のひどい時は西洋薬を優先し、漢方薬を使う時は「証」に合った薬を選び、3〜4週間続けて効き目を確かめ、効果があるようなら1〜2年続けて使い、無ければ調合の見直しをします。


11. 免疫療法(減感作療法)について


減感作療法は、免疫療法とも呼ばれていますが、一般的には即時型アレルギーの原因抗原(アレルゲン)を患者に少量ずつ増やして注射し、過敏性を減らすというものです。100年ほど前から始まり、アレルギー性鼻炎や気管支喘息に効果のあることが認められています。その機序については、(1)遮断抗体が出来て、アレルゲンとIgE抗体の反応を阻止する、(2)肥満細胞のアレルゲンに対する反応性が低下する、(3)IgE抗体価が減る、(4)サイトカインの産生が減る、などが考えられています。

アレルゲンに対する高いIgE抗体を持ち過敏性を認める喘息患者が治療の対象になります。アレルゲンの皮内テストを行い、陽性となる最も薄い濃度(閾値)よりさらに10倍薄い濃度のアレルゲン希釈液の0.05 mlを初回量とし皮下に注射します。その後、週に一回50%ずつ増量して皮下注射を続け0.5 mlになったら、次に10倍濃い濃度のアレルゲン液に変の0.05 mlに変え同じように漸増します。治療効果が認められ、かつ注射の発赤の径が30mm以内に収まる最高の濃度のアレルゲン量を注射の維持量として注射治療を継続します。そして、週一回から2週に一回、月一回へと注射間隔を広げて行きます。減感作療法の副作用は、注射場所の痛みと腫れ、喘息発作の誘発、全身アナフィラキシーです。アナフィラキシーは、全身に蕁麻疹が出て、呼吸困難、腹痛、下痢、嘔吐、低血圧ショック、意識障害など重篤な全身のアレルギー反応です。

副作用を予防するため風邪を引いた時は注射を中止し、注射の間隔が延びた時は、注射量を減らします。注射後、体に異変を感じたらすぐに医師に連絡して下さい。そのためにもアレルゲンの注射後の30分間は、医師の近くを離れないことが大切です。減感作療法の効果を上げるため、方法を簡便にするために急速減感作療法、精製アレルゲンや重合アレルゲンによる減感作療法、経口減感作療法が試みられています。遺伝子の研究が進み、人の遺伝情報やアレルゲンの遺伝子の解析からペプチド減感作療法、免疫反応を抑制させるサイトカイン療法、アネルギー誘導療法など新しい免疫療法が実用になる日がくるかもしれません。その時には、患者個人に合わせたアレルゲンペプチドや治療法を選択するテーラーメード免疫療法が行なわれるでしょう。


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