花粉症相談箱 Q&A

 

花粉症専門相談箱にいただいたご質問の中で多くの方から出されているご質問を参考にFAQを作成しました。
ご質問の前に参考にしていただくようお願いいたします。
※質問は医療従事者からのみですが、FAQ集は一般の方も閲覧できるようにしております。


▼ 2005年

Q01
「花粉飛散開始日」、「花粉温度計」について教えてください。


Q02
花粉飛散開始が目前になってきていますが,今でもレーザー治療を希望される患者様が次々と来院されます.花粉飛散開始後では,治療の効果はまったくないでしょうか。


Q03
レーザー治療がテレビで奨められていましたが、安全でしょうか。


Q04
レーザー治療を考えています。できれば、居住地の近くで実績のある医療機関を知りたいのですが調べる方法を教えて頂けないでしょうか?


Q05
授乳婦の花粉症についておたずね致します。 授乳中の方で花粉症をお持ちの方の場合には、抗アレルギー薬の内服剤としては何が安全性が高いでしょうか? アリメジンや、レスタミン、インタールなどが移行性としては少ないようですが、いかがでしょうか? 外用剤だけでは、症状が強いようです。


Q06
患者さんから、ケナコルトAの筋注について何度か依頼を受けます。その都度丁寧にお断りしているのですが、ケナコルトの筋注についてはっきりしたステートメントを患者に示すことができればと思い、インターネットで検索しましたが、見つけることができません。お教え願えないでしょうか?


▼ 2006年

Q06
花粉症の口腔減感作療法について教えて下さい。ここ、数年、いつマニュアル化されるかとかなり待ち遠しい心境です。いつごろになりますでしょうか?また、マニュアル化される前に何らかの方法で実施してみたいとも思います。プリックテストの試薬等で可能でしょうか?


Q06
最近患者さんから免疫機序についての質問が出るようになりました。私どもでは概説程度しかできないのですがその中でも好酸球の役割がよく説明できません。年々好酸球に対する認識が変化していると聞いております。また患者さんからの質問ですがほくろと花粉症(あれるぎー)の関係についての新聞?記事を持ってこられました。なにか参考になる知見をご存知でしたら教えてください。


Q06
妊婦の患者さんで花粉症の方の場合、点鼻薬はどの薬剤をつかうのが安全でしょうか?ステロイド点鼻は基本的に問題ないとおもうのですが、抗アレルギー剤等は(内服の場合ですが)妊婦には禁の場合が多く点鼻の場合はどうなのでしょうか?

▼ 2012年

Q01
花粉症の注射治療について質問させていただきます。耳鼻科医として14年経過しておりますが、勉強不足のため、先日、ノイロトロピン注射という方法を偶然目にしました。文献検索行いましたが、ここ10年来新たな報告は無いようです。この治療の現在の位置づけや効果、投与法などご教授頂きたく思います。


▼ 2005年


Q01
「花粉飛散開始日」、「花粉温度計」について教えてください。


A01
「花粉飛散開始日」とは、「ダーラムサンプラーで1平方センチあたり1個以上の花粉が2日以上連続して観測された最初の日」をいいます。「花粉飛散開始日」は、1月1日からの最高気温の積算値で予測できるといわれています。これが「花粉温度計」です。関東以西ではその数値は350〜400です。製薬メーカーのいくつかのサイトで、全国各地域のこの数値を調べることができます。

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Q02
花粉飛散開始が目前になってきていますが,今でもレーザー治療を希望される患者様が次々と来院されます.花粉飛散開始後では,治療の効果はまったくないでしょうか。


A02
花粉飛散開始後では鼻粘膜の過敏性が高くなってしまうので麻酔や焼勺での過敏性亢進が考えられることがひとつ。もうひとつは花粉飛散季節に粘膜を焼勺することにより粘膜の上皮のはがれた状態で花粉を暴露されることになります。これはその後の抗体の産生が増加する可能性が否定できません。安易に季節中に粘膜を障害することは避ける方が良いと考えられています。もちろん季節中でもその季節だけであれば効果があります。

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Q03
レーザー治療がテレビで奨められていましたが、安全でしょうか。


A03
1回だけのレーザー照射であれば全く問題はないと考えます。しかし、頻回に行なうこと、花粉飛散季節中に行なうことなどは問題があります。頻回に行なうことにより粘膜細胞の遺伝子の変化や花粉飛散季節に粘膜を焼勺する事は粘膜の上皮のはがれた状態で花粉を暴露され、その後の抗体の産生が増加する可能性が否定できません。以上のようなことを考慮されレーザー手術を奨められることをお勧めします。

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Q04
レーザー治療を考えています。できれば、居住地の近くで実績のある医療機関を知りたいのですが調べる方法を教えて頂けないでしょうか?


A04
日本アレルギー学会のホームページ(www.js-allergol.gr.jp/)、
またはリウマチ・アレルギー情報センター(www.allergy.go.jp)へアクセスして、耳鼻咽喉科のアレルギー専門医を検索して、そこでレーザー治療をしているかどうかお訊きになってください。

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Q05
授乳婦の花粉症についておたずね致します。 授乳中の方で花粉症をお持ちの方の場合には、抗アレルギー薬の内服剤としては何が安全性が高いでしょうか? アリメジンや、レスタミン、インタールなどが移行性としては少ないようですが、いかがでしょうか? 外用剤だけでは、症状が強いようです。


A05
授乳中の花粉症治療につきまして 授乳中の女性に投与された薬は、ほぼ例外なく母乳を通して乳児に移行すると考えられます。ただ、その量は少なく、妊婦に投与できる薬剤なら授乳中に投与しても障害をおこす可能性は少ないと考えられます。しかし、可能なら薬剤の投与は避け、花粉曝露の回避の指導と局所温熱療法を薦めるのが良いと思います。その場合、局所温熱療法の効果は個人差があること、使用後に鼻つまりを一時的に訴えるrebound現象がみられる可能性は説明しておく必要があると思います。どうしても薬剤投与が必要な場合には妊娠初期の妊婦に対する治療に準拠しておこなうことになります。必要最小限の点鼻薬か、内服薬としてはオーストラリア医薬品評価委員会の報告でフマルサンクレマスチン、クロルフェニラミンが妊婦に対して有害証明なしと記載されています。また、第二世代と言われる抗ヒスタミン薬も安全性は高いとしています。しかし、クレマスチンも添付文書では授乳中の婦人への投与は避けるよう記載されており、やはり内服薬投与には慎重な対応は必要です。

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Q06
患者さんから、ケナコルトAの筋注について何度か依頼を受けます。その都度丁寧にお断りしているのですが、ケナコルトの筋注についてはっきりしたステートメントを患者に示すことができればと思い、インターネットで検索しましたが、見つけることができません。お教え願えないでしょうか?


A06
デポステロイド筋注は保険で認められていますが、問題は副作用です。ケナコルトAを1バイアル(40mg)筋注しますと、血中濃度は筋注後3時間でピークとなり、その後3週間まで有効濃度が維持されます。一方、血中コルチゾール値は筋注後2週間の間0となり、副腎皮質機能の抑制は3〜4週間続きます。また、排卵に与える影響については、卵胞期初期に投与した場合には排卵は2週間以上抑制され、再開は3〜6週後になると報告されています。2000年に行われました花粉症患者さんを対象とした調査では545名中12.7%の方が本治療の経験がありましたが、その効果に対する満足度は他の治療法に比較してむしろ低値であり、かつ1シーズンに3回以上筋注を受けていた方が37.5%もあり、さらに副作用について説明を受けている方は40.6%にすぎませんでした。他に副作用の少ない治療法が多数あり、本治療法は一般的にはすすめられません。患者さんの強い希望により使用する場合でも副作用の可能性、禁忌疾患(高血圧、糖尿病、感染症、緑内障、白内障など)の有無を確認し、十分なインフォームドコンセントを得る必要があります。


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▼ 2006年

Q06
花粉症の口腔減感作療法について教えて下さい。ここ、数年、いつマニュアル化されるかとかなり待ち遠しい心境です。いつごろになりますでしょうか?また、マニュアル化される前に何らかの方法で実施してみたいとも思います。プリックテストの試薬等で可能でしょうか?

A01
従来の皮下注射によう抗原特異的免疫療法減感作療法)に代わって粘膜を介した投与法として、経口、経鼻、舌下投与が検討されていますが、現在もっとも注目されているのは舌下投与によるものです。欧州でもフランス、イタリアなどではかなり実施されています。ただ、日本のスギ花粉症やハウスダストによる減感作で有効かどうかは不明で、現在いくつかの施設でinactive placeboを用いて同意を得た患者さん対象に二重盲検比較試験が行われ、有効性、安全性、作用機序についての検討が厚生労働省の補助金で実施されています(数年以内に明らかにすることが目標です)。しかし、これはあくまで医師主導の臨床試験でいわゆる治験とは異なります。また、従来の皮下注射エキスを舌下投与で用いるには、用法変更ということで薬事法では改めて前臨床試験が必要です(薬価収載には)。舌下減感作の有効性はいまだ不明なこと、また、用法変更は認められていないこと(前述の臨床試験もすべて患者さんの金銭負担はありません)から、一般的にはまだ薦められません。副作用についても欧州での検討では重篤なアナフィラキシーの報告はありませんが、喘息発作誘導、強い下痢などの報告はあります。千葉大でのこれまでの成人、小児の計約120例の検討でも重篤な副作用はありませんが、1割近くに口内痛、口内掻痒、蕁麻疹などの副作用と考えられる反応が出ています。もちろんこれらの症状は軽く、脱落した方は1例のみですが、やはり副作用がないわけではありません。また、重い喘息合併者への舌下投与の安全性は欧州でも検討が行われておらず不明です。いずれにせよ、今の段階でスギ花粉エキスやハウスダストエキスでの有効性を示すエビデンスはなく、加えて用法変更は認められておらず、実施することでの患者さんのメリットは不明です。


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Q06
最近患者さんから免疫機序についての質問が出るようになりました。私どもでは概説程度しかできないのですがその中でも好酸球の役割がよく説明できません。年々好酸球に対する認識が変化していると聞いております。また患者さんからの質問ですがほくろと花粉症(あれるぎー)の関係についての新聞?記事を持ってこられました。なにか参考になる知見をご存知でしたら教えてください。

A01
好酸球についてメールでの手短な説明は無理かと思いますが、アレルギー反応の根底にある炎症病態の形成に係わる重要なエフェクター細胞であるといわれています。その顆粒蛋白(MBP、ECP、EDN、EPO)は強力な細胞障害作用をもち、また様々なメディエーター(LTC4、PAF、thromboxaneB2、HETE)、superoxide、cytokine 、chemokineを遊離することが知られています。詳しくは成書をご参照ください。ほくろと花粉症に関しては医学中央雑誌を検索しましたが、ヒットしませんでした。


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Q06
妊婦の患者さんで花粉症の方の場合、点鼻薬はどの薬剤をつかうのが安全でしょうか?ステロイド点鼻は基本的に問題ないとおもうのですが、抗アレルギー剤等は(内服の場合ですが)妊婦には禁の場合が多く点鼻の場合はどうなのでしょうか?

A01
妊婦さんに対する処方ですが、基本は妊娠4ヶ月まではできる限り薬剤を使用せず、温熱療法(スカイナースチームや熱いオシボリ)やマスク、メガネなどの防御器具で対処します。それ以降でも薬剤は鼻噴霧用ステロイド薬、あるいは鼻噴霧用ケミカルメディエーター遊離抑制薬(クロモグリク酸ナトリウム)などをごく少量で使用します。鼻噴霧用抗ヒスタミン薬(ケトチフェン、レボカバスチン)でも構いません。オーストラリアでは妊婦への安全使用で抗ヒスタミン薬は比較的安全薬剤になっております。逆に鼻噴霧用ステロイド薬は抗ヒスタミン薬より注意して使用になっております。一般的には血管収縮薬以外の点鼻は常用量の半分であれば問題ないと考えます。


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▼ 2012年


Q01
花粉症の注射治療について質問させていただきます。耳鼻科医として14年経過しておりますが、勉強不足のため、先日、ノイロトロピン注射という方法を偶然目にしました。文献検索行いましたが、ここ10年来新たな報告は無いようです。この治療の現在の位置づけや効果、投与法などご教授頂きたく思います。


A01
ノイロトロピンはかって、アレルギー疾患に対する非特異的体質改善療法の一つとして施行されていました。その後、喘息も鼻炎も対症療法が大きく進歩したことにより、特異的免疫療法以外のいわゆる体質改善療法は行われなくなりました。以前から継続している患者さんはいるかもしれませんが、少なくとも新規に始めることはなくなりました。1976年「臨床成人病」Vol.6 No.7には以下のように記述してあります。「滝野は、気管支の過敏性の背景には、自律神経の異常、ことに副交感神経の異常(organ vagotonia)があることを指摘し、また小児の気管支喘息発症にはしばしば湿疹が先行し、気管支喘息と湿疹またはアトピー性皮膚炎との間には交代現象があることに注目して創始したのがアストレメジンとノイロトロピンである。気管支喘息に対してはアストレメジンの方がはるかに有効である・・・」筆者は昭和大学第一内科教授(当時)の高橋昭三先生です。

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